自治会のジェネレーションギャップ
度々書いていますように、自治会や町内会の会長職は高齢の方が多いですし、まだそこまでの年齢でない私には驚くようなことも少なくないです。
自治会に関わるまでは、世代ギャップなんてものは「流行を知っているかどうか」程度のものだと軽く見ていました…。
高齢で組織を仕切っておられる方々はそれに気づいていない場合が多く、「まだ高齢ではなく若くもなく男性でもない立場」からちょっと書いておきたいと思います。
- 世代ごとのイメージは?
- 自治会運営の主力は高齢者
- 若い世代は共働き
- 主力年齢層が支配
- 求めるものは謝礼か時間か
- 世代ごとの下心
- 男尊女卑
- 無責任な「働く女性」
- 無償労働の沼
- 高齢な会長職も二種類
- 最後に
世代ごとのイメージは?
一般的にはこんな風に世代分けがされるそうです。
未成年者 | 0~19歳 |
---|---|
現役世代 | 20~64歳 |
前期高齢者 | 65~74歳 |
後期高齢者 | 75歳~ |
今は64歳まで「現役」なんですね。
「団塊世代」は厚生労働省白書によれば、1947(昭和22)~1949(昭和24)年生まれのようなので、2020年での年齢は70〜73歳。バブルの恩恵を受けて、退職金もだいたいもらえた世代。
リーマンショックが2008年からで、団塊世代の退職は2007年が山。
若い子育て世代が抱える閉そく感は想像できない世代かもしれません。(個人意見です)
自治会運営の主力は高齢者
今どきの高齢者、特に後期高齢者の皆さんはとてもお元気です。
それでも体力に不安を抱えたり、お子さんが遠くに行かれたりして、地域のつながりを求めておられる方が多く、立ち入ったお話をしていると、寂しさや不安を垣間見ることが多いです。
地域の体操教室や囲碁や将棋サークルも後期高齢者の皆さんがあふれています。多すぎるので、新型コロナ対策が大変なのですが…。
自治会や会長職以外の下の役員は現役世代も多いですが、行事や交通安全などのスタッフとして下支えしているのも高齢者のみなさん。
高齢者層の協力なくしては、円滑な自治会運営は望めなくなっています。
若い世代は共働き
最近特に感じるのが若いお母さんたちが時間制約が多いこと。会議や打ち合わせも設定が難しく、夜にやっと開けるかどうか。
時々来訪される機会があっても、時間に追われているのと、少しでも自分の負担を減らそうという態度の方が多いこと、多いこと。
私の街のような片田舎でも共働きのお母さんがほとんど。
忙しさゆえなのか、自治会からの指示や依頼も平然と拒否。
小学校のボランティア組織も、以前なら「わが子の様子が見たい」という小学生のお母さんが主力でしたが、今は人手が足りずに50歳代の元小学生お母さんたちがヘルプに行っています。
小学生の登校時の旗振り当番も、「出勤と下の子の世話」という理由で小学生のお母さんたちは登板から外れることになりました。
とにかく強い印象です。
おじいさんたちの無理難題やセクハラに泣き寝入りしていた世代から見ると、自分たちが目指していた女性の自立というのはこういうことだったのか、と妙な気分になったりします。
お母さんたちに余裕がなくて実利優先のムードは、子育てにも確実に影響しているんだろうな…。
主力年齢層が支配
若いお母さんたちがいかにドライでも、組織は主力年齢層である高齢者の方々の思うがまま。
一般社会やテレビドラマの世界でももう化石のようになってしまった価値観が堂々とまかり通ります。
年功序列、男尊女卑、元権力者や富裕層優先…。
あと、ホームページやSNSなどの否定も。
求めるものは謝礼か時間か
自治会の上の世代は「飲ませてやればいい」という価値判断の方が多いようで、自治会の仕事を頼んでも、宴会やお弁当・飲み物を与えればチャラになると思っている方が多いようです。
(この飲食代の出費が自治会不正の一つでもあるのですが…)
これに反して、忙しいサラリーマンや若いお母さんたちは「宴会もお土産も要らないから時間を短くして」という方が圧倒的。
今後は、自治会の仕事を外注に出すことがますます増えるかもしれません。外注するのなら、「地域の交流」の意味がどこかに行ってしまいますね。
世代ごとの下心
本来、自治会の行事や仕事をやる目的は、「仕事のための仕事」ではなくて、「一緒に仕事をすることで住民が交流できる場を作ること」だったはずですが。
高齢者の方が自治会の下請けをやってくださるのは、「顔見知りを増やして有事に備えを」というある意味下心があってのこと。
若い世代にも有事には同じことだと思うのですが、まだ自分の体力に自信があるから、気がついていないのかな。
若い世代は、「自治会仕事をこなさないと、子どもがいじめられる」といったことが強制力になっているんでしょうか。
男尊女卑
自治会に関わるようになって気がついたのですが、男尊女卑というのは、女性の方が被害者意識を持っているから出てくる問題なのかもしれないということ。
わが自治会、わが街は、宴会があると、女性は準備をして最中も席を温める間もなく、お酒を冷やしたり、給仕をしたりということが多いです。後片付けも女性。
でも、いやな女の人(特に若いお母さんたち)は宴会には欠席だし、男性のしもべにはならなりません。
中途半端に「女は下」という意識のある世代が、無駄に気を遣って落ち込んだりしている気がします。
無責任な「働く女性」
かといって、「女卑」を拒む人たちが責任を果たしているかというと、これも問題。
働く女性が増えて、女性たちも家庭内だけでなく外(自治会も)に対しても強い時代のようですが…。
働く女性と言っても、実際に職場で責任のある仕事をしている女性はどのくらいなのでしょうか。
わが街が田舎だからなのか、女性たちは職場では「女性だから」と言って、残業も責任も負わない人が多い気がしています。
職場でも無責任、自治会やPTAでも無責任。
私たちが若いころに戦ってきた女性の地位向上というのは、こういうことではないような気がしています。
無償労働の沼
高齢者は昔通り「責任者は男で、女は下働きして口出しするな」という感覚に疑いを持たず、若い女性たちは妙に主張し、若い男性たちは職場の繁忙と自分の妻に頼れない現実から、無責任に走る。
そういう中で、特定の人たちに負荷が集中。
中途半端に責任感のある40~50代が何でも屋になって、高齢者の中でも寂しさややりがいを求める層が、エンドレスな無償労働の沼にはまっています。
傍で見ていて、気の毒に感じます。
高齢な会長職も二種類
高齢者とひとくくりに行っても、自治会の会長職についている人も、大雑把に言うと二種類ある気がしています。
- 現役時代にやり尽くして後は社会貢献のタイプ
- 第二の職場が探せずに小遣い稼ぎタイプ
自治会の会長職は、市役所の下請けとしての関係があるかどうかで、報酬額が大きく変わります。
役所の広報誌を配ったり、役所の下請け的な仕事をする自治会だと、会長職の報酬はおそらく高齢者がつける簡単なパートの倍程度の収入がある場合も…。(年に数百万)
会長職が「社会貢献したい」タイプであれば、若い人の意見を汲む度量もあるのかもしれませんが、「パートよりは金がもらえるぞ」のタイプだと、ますます組織が硬直します。
最後に
逃げないで積極的に関われば組織の雰囲気は変えられるのかと思っていましたが、なかなか難しいようです。
賢明な人たちは、自治会の役員に当たっても、奥さんを差し出して、無責任コースで一年を適当にやり過ごす人も多いです。
40~50代の精力的で私欲優先ではい人たちがある程度の人数で対抗すれば、変えられるのでしょうか。