自治会ホームページ作成は誰が担当するのか?
自治会や町内会の役員は、ほとんどのメンバーが毎年入れ替わります。
ホームページの作成ツールは以前と比べればずいぶん敷居が低くなりましたが、それでも「誰でもできる」というわけではありません。
外注する? 自分たちで作る?
予算のこともありますし…。
(経験上自治会は高齢の方が多いため、わかりやすさ優先で、思い切ってざっくりと書いていきます(^^ゞ)
最低限の予備知識
自治会のホームページを作るために、最低限やったほうがいいことを挙げてみると…。
ホームページとは何か?
自治会ホームページとして開設するWebサイトは、ものすごくざっくり言うと、
- パソコン内で作ったプログラムをアップロードするタイプ
- パソコンを使ってネット上のソフトにアクセスして作るタイプ
の二つがあります。
今までは自分のパソコンの中でプログラムを作って、プログラムと写真などのデータをネット上のサーバーにアップロードするタイプ(ホームページビルダーなど)が主流でしたが、最近はJimdoなどのように、html(ホームページを作る言語)の基礎知識がまったくなくても、ブログを書くように簡単にオンラインでホームページが作れるサービスがあります。
(自治会の経験から、まったく知らない方向けに説明する時のように、細かいところは省略して書いています)
↓ オンラインでサイト作成をするJimdo。
私も、はじめはホームページ・ビルダーで作ってあった自治会のホームページを引き継いで、中の言語を見て更新していました。
ホームページビルダーは「html(ホームページを作る言語)がわからなくてもなんとかなる」という触れ込みのソフトですが、更新作業は言語を見てやった方が速いと思います。
が、専業ではなくほかの仕事もやすバタバタした職場なので、細かいミスをしそうだし、html(ホームページを作る言語)で更新作業ができる人が自分の後任として来てくれるとは思えなかったので、Jimdoですべて作り直しました。
↓ ジャストシステムのホームページ・ビルダー公式ページです。
自治会の会長職の方たちは、時流に乗るためにホームページ自体は作っておきたい方が多いようですが、下の人たちに任せっぱなしにせず、中身をまめに確認して、新しい情報を入れていく必要があります。
特に最近はコロナ対策で行事や奉仕活動などの変更が多く、こんな時こそ瞬時に情報を流せるホームページの出番です。
余談ですが、私は自治会のTwitterアカウントを作ることも勧めているのですが、まったく聞き入れてもらえません。「有事」にならないと聞いてもらえなさそうです。
具体的な作業負担
ホームページも各種書類も、「パソコンのボタン一つでできる」と思っている人が今の時代にも確実にいらっしゃいます。
自治会のホームページを運営する場合、そういう存在が大きなネックになりがちです。
ホームページを作るために必要なものを、ざっくり言うと。
- サイト全体のラフ案
- 載せる内容を理解するための資料(行事や手続きの内容や目的など)
- 写真(ネットに上げるためにリサイズして軽くしたもの)
- PDFやJPEGにした資料(回覧物などのワードやエクセルを変換)
最低限、このくらいは必要です。
内容がわからない人が作る場合は、Wordなどで各ページに載せる文言も作って渡す必要があります。
ほかの自治会のホームページなどを閲覧して回り、自分の自治会のホームページに載せたい内容を固めます。
アドバイスしてくれるプロがいるならば、そちらにレイアウトを相談。
そういう人がいないようなら、ほかのサイトを参考にサイトの骨組みを考えます。
状況がわかっている人が
私の自治会では、広報担当には自治会や役所からの情報が集まる仕組みがなく、広報担当の人は定番の行事や活動の写真を撮るのが仕事になっていました。
新しい動きや活動があると、私の方で写真を撮ったり資料を集めて対応していました。
ホームページ作成を誰かに依頼するには、下準備が必要です。自治会の組織や活動の詳細がわからない立場の人が、自分だけで作ったり更新するのは不可能です。
最低限のパソコンやネット知識
実は、私はjimdoで作っておけばホームページの知識がない人でも更新できると思い込んでいたのですが、盲点がありました。
ホームぺージの言語がわからなくても、パソコンの基礎知識は必要です。
私のまわりには、書類のスクリーンショットをとってホームページ用に加工したり、写真をトリミングや明暗修正をしてリサイズできる人がいませんでした。
パソコンが普通程度に使える人は自治会のような安月給の半ボランティア組織には来ないということを見逃していました。
さらに、会長もホームページを見る習慣がないので、ホームページに何が書かれているかわからず、事務作業をする人に指示もできない状況でした。
会長職の方も、ホームページの中身がどうなっていて、何を更新するか知っておくべきです。といういか、会長職の人が編集責任者です。
更新作業のことも考える
ホームページは速報性が一番のメリットです。今日起きたことをすぐに拡散するのは、回覧や電話連絡では不可能です。
常に新しい情報を載せるためには、都度更新作業が必要。
更新作業のためにも上に書いた下準備が必要ですし、それに伴ってプログラムの書き換えも必要になります。
下準備やプログラムの書き換えがスキル不足でできないようなら、定番の内容だけに絞ったホームページを作り、更新はせずに放置することになります。
閲覧する人も、自治体の概略はわかるので、更新ゼロのホームページでも、ないよりはあった方がいいでしょうね。
アクセス解析も
サイトを作ったら、アクセス解析の設定をします。
訪問者や閲覧数を確認したり、アクセスが多いページはどこなのか、異常なアクセス数の時はその原因を調べたり…。
今はGoogleアナリティクスというサービスがあるので、そこにサイトを登録しておけば常にアクセス状況を確認できます。
↓ Googleアナリティクスの使い方について、わかりやすい説明がありました。
(黒猫さんはWeb会社も運営しているんですね。初耳です)
外注する場合
当ブログは「自分でホームページや広報誌を作って発信しよう」という立場のため、外注のことはよくわかりません(^^ゞ
Webサイトを自作したことはありますが、外注した経験がないので詳細はわかりませんが、業者に印刷物の編集依頼をしている人を横で見ていたことがあるので、その経験から勝手に想像してみます。
どんな形式のサイト?
先に書きましたように、①自分のパソコンでうプログラムを作るタイプ(ホムページビルダーなど)と、②ネット上のソフトで作るタイプ(Jimdoなど)があります。
①で作ってもらった方が、閲覧者も見やすくてかっこいいサイトができると思いますが、後の更新作業を考えると②の方がお勧めです。
(Jimdoの運営会社が倒産するなどのリスクはありますが…。)
jimdoで自治会のホームページを作ってわかりましたが、写真や資料の下準備さえできていれば、jimdoで所定の箇所にはめ込んでホームページを更新するのは、それほど大変ではありません。
「どうせ写真や資料の準備をするのだから、外注するよりはJimdoで自分で作った方がいいんじゃない?」と思います。
下準備まで外注すると大変
撮ったままのオリジナルサイズの写真をトリミングもリサイズもせずに渡したり、WordやExcelの資料をそのまま渡したりすれば、業者の方で写真の加工や資料の加工が必要になりますね。
あと、上で書いた「印刷物の編集依頼をしていた人」ですが、彼女は写真データを自動車で運転して業者に届けていて、何度も校正で通っていました。
Googleドライブであるとか、クラウドやメールでやりとりができない人だと、下準備もそれをやり取りするだけでも、かなり労力がかかりそうです。
今は中高生の課題作成でもGoogleドライブで共有しながらやる時代ですが、地方の自治会はもっとずっとIT環境は遅れています。
予算は足りているか?
行政によっては、ホームページ作成のための補助金が出るところもあります。
実際に私の街ではホームページを作るなら年間5万円が役所から支給されます。ホームページの大枠を5万円で地元のプロに「身内料金」で依頼して、後の更新は役員が自分でやるという例が多かったようです。
先ほどの写真や資料のデータを準備するところから全部依頼すると、身内料金であっても相当な金額になりそうです。
「ホームページは若い人がボタン一つで簡単にできる」と考えて、関係者に無料で作業することを強要する向きもありますが、慣れていてもそれなりに時間も手間もかかります。パソコンなどの制作環境も必要です。
人に頼むなら、対価を支払って頼むべきです。
自分たちで作る場合
誰が作るのか?
ほかの自治会の状況を見ていても感じるのは、作る人や後で更新する人をよく考えておかないと、結局ホームページを作っても機能しないということ。
- 中身を考える人と作業をする人
- 長期間にわたって担当できる人
- 作業環境の整備
をしっかりと考えておくべきです。
いくら優秀なWebデザイナーでも、自治会の組織や情報がわかっていないと自治会ホームページは作れません。
自治会ホームページの中身を考える人と作業をする人は別にすべきです。(自治会の責任者がWeb知識と作業時間があれば同じでも可)
サイト作成の経験がなくても、ほかの自治会ホームページで気に入ったものを見つけて、そこから自分たちに都合のいい形を模索すれば、中身を考えるのもそんなに難しくはないはずです。
役員など、任期が一年の人が担当するのは、慣れている人でない限りリスクが高い気がします。紙ベースの広報誌と違って、ホームページはうっかりした内容でも全世界に公開されてしまいます。
例えば、日時などを間違えてアップロードしてしまった場合、見た人はそれで動くでしょうし、後から訂正する手段がありません。
事務員がホームページの作成や更新をする場合もありますが、専業にしない場合は集中できる環境整備が必要です。
来客や電話対応をしながらホームページ更新作業は、あまりお勧めできません。
私は自宅で作業していました。
楽な方法はどれ?
何度も書いてきましたがJimdoなどのソフトを使えば楽に作業できます。
↓ Jimdoの運営会社が作った解説動画がありました。
さらに言うならば、藤沢の団体が作られた自治会専用のJimdoテンプレートもあります。
ただ、藤沢のテンプレートはJimdoのテンプレートに手を加えて作られたものだと思いますが、Jimdoのシステム変更に伴い現在は利用できません。
この手の便利機能は、こういう事態も起こりうるので、なるべく運営会社自体がシステム更新後も責任をもってメンテするテンプレートで作らないと危ないです。
fujisawa-jichikai1.jimdofree.com
↓ Jimdo自体も自治会などのホームページの実例を載せています。
最後に
自治会にホームページがあると役に立つことがたくさんあります。
外注する場合でも、更新はまめにできる体制にしておくべきです。常に新しい情報を発信できるのかホームページの存在意義だと思います。
ただ、半分ボランティアの団体で、誰か一人がスケープゴートになるのは気の毒です。外部業者や補助金などをうまく利用して、できるだけ負担の少ない運営が必要です。